Crown Pawn

歩兵の上の冠

「この世界の片隅に」が本当にすごいので皆さんに紹介したい

みなさんは「この世界の片隅に」という漫画をご存知ですか?

のんさんが主人公の声を演じた映画もあり、最近ではドラマも地上波で放送されています。

映画は本当に素晴らしく、のんさんの声も役にぴったりはまっていて最高でした。

そんな「この世界の片隅に」ですが、原作の漫画では映画にないサイドストーリーがある上、絵だからこその空気感を感じられる作品です。

もちろん、映画やドラマを見ていなくとも楽しめる作品であることは間違いありません。

 

この世界の片隅に

この作品の舞台は戦時中の呉、広島県の南西に位置する市です。

主人公のすずは10代のうちに呉に嫁ぎに行き、戦争に巻き込まれていきます。

戦時中の作品となると、主人公が兵として戦いに行ったり、司令として活躍したりするマンガは多いです。

しかしこの作品は違い、戦時中の一般市民の生活が丁寧に描かれています。

戦争だからといってただ暗い雰囲気になるでもなく、日本万歳とイケイケムードになるわけでもない。

戦時中なのにすずや周囲の人々は、愚直に日常生活を送っていきます。

そこに少しづつ、戦火が迫ってきて狂わされていく…

 

このマンガの魅力

当時の人々の丁寧な描写、そして主人公すずさんの天然で愚直な生き方がこのマンガの魅力です。

戦場で戦っていた人ではなく、日本全国で歯を食いしばって耐えていた人々がメインとして描かれています。

戦争当時の彼らの生活や文化等をそこに見ることが出来ます。

言葉で表すのが本当に難しいのですが、この作品には「絵」だからこそできる空気感の表現があると思います。

田舎で過ごす人や自然、主人公含む登場人物の明るくて優しい雰囲気をこの作品の絵から感じ取れます。

その意味で、映画は原作を本当にリスペクトしていたのだなと感じられました。

「なんで能年玲奈さんが主人公の声優なんだろ?」と映画の鑑賞前は疑問に思っていましたが、この作品を読んだ後なら納得できます。(鑑賞後でさえ完璧な配役じゃん!と納得させられました。)

主人公であるすずは、戦時中でありながら真っすぐに心を持ち生きていきます。

彼女の天然さや持ち前の明るさはこのマンガ一番の魅力でもあり、それをうまく声で表現した「のんさん」の力にも感服しました。

 

戦時中の日本

戦争だからと言って暗くなりすぎないと先ほど書きました。

しかし戦争の魔の手は、日常に否応なしに侵入してきます。

昭和20年6月に呉は広島大空襲に襲われました。

そこで主人公の生活は大きく変えられてしまいます。

読んでいる自分でさえショックを受けてしまうような出来事でしたが、主人公はただただ丁寧に日常を再開していきます。

「戦争は悲惨だからひたすらに暗い描写で終わらせる」でもなく、

「戦時中の日本の活躍をひたすらに明るく書く」でもなく、

主人公のまっすぐな生きざま当時の生活をひたすらに丁寧に描いています。

そしてその主人公たちの姿には本当に心打たれます。

 戦時中は、歴史に名を遺した人物だけでなく、名もなき一人ひとりが懸命に生きていた。

そんなことを考えさせられます。

 

 人間関係

すずが嫁いだ夫、彼と関係のあったかもしれない女性、義理の姉、軍人となった幼馴染

そんな登場人物の中にあるすれ違い、切ない心遣い、伝えきれない思い。

当たり前の人間関係に心を打たれます。

戦時中という非日常だからこそ強調される、日常の心のやりとりが本当に大切なものであったのだなと感じられます。

戦時中の非日常の描写も印象的ですが、日常に潜む繊細な心の描写もこの作品の魅力の一つです。

戦争時の日本を知るとともに、すずや周りの人たちの心にも感動させられるでしょう。

 

最後に

 いかがだったでしょうか。

「世界の片隅にうちを見つけてくれてありがとう」 作中すずの言葉より

 否応なしに迫る戦争の影、そんな中で懸命に生きていくすずたちの姿には本当に心を打たれます。

戦争中の名もなき人々の生活にスポットライトを当てた、想像をはるかに上回ってくる作品になっています。

この世界の片隅に「このマンガ」を見つけたあなた、一度読んでみませんか?

きっと、すずや周りの人々の心に涙することでしょう。

 

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