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歩兵の上の冠

2018年 【厳選】kindleで買える私のおすすめのエッセイ集

皆さんはエッセイを読んだことはありますか?

エッセイとは、著者が自由にテーマを決めてそれに付いて書いた散文のことです。

小説や意見文と違い、スタイルが堅苦しくなく著者の生活に即したテーマで書かれています。

なので読みやすいうえに、著者の考えを自分の生活にも活かせるでしょう。

twitterなどのSNSが盛んな今、本として出版されるエッセイのように”同じ人物が書いたまとまった量の文章”を読むことは少なくなってきています。

しかし、日本では枕草子が最古のエッセイ(随筆)だと言われているようにエッセイとの距離感は近い珍しい国です。

 

この機にエッセイを読んで新たな趣味を発見したり、自分の生活を見つめなおす機会としてみてはどうでしょうか。

 

 

2018年版 おすすめのエッセイ

 ひきこもらない

この本の著者であるphaさんは京都大学を卒業後、28歳の時に会社を辞め、今ではシェアハウスを作ったり本を書いて暮らしているニートです。

彼の著作は他にも「持たない幸福論」などがありますが、一番の特徴は「私たちは何をしても良かったんだ」と気づかせてくれるという点にあります。

彼の考える仕事論や快適な旅行の方法が緩い文体で書かれており、疲れた頭にスッと入り込んで癒してくれます。

「この本を読んだ人に、全力でフラフラと暮らすことの楽しさや面白さを伝えられたらいいと思う」と本文中にもあります。

忙しい毎日の中でどんな風に自分の時間スタイルを見つけるかのヒントになってくれるでしょう。

生活に疲れた時や今後について不安があるときにぜひとも読みたい一冊になっています。

 

 きみの言い訳は最高の芸術

 「別の星の果実みたいに新鮮で、甘くて、冷たくて、毒かも知れなくて、どきどきする。そんなタヒさんの言葉を齧ったら、地球がきれいな場所に見えてきた。」 帯文より 穂村弘

 現代詩人である最果タヒさんの一冊。

「寂しさ」「十代の頃の気持ち」について考えたりしませんか?

「友達はいるけれど、時折寂しさを感じてしまう」そんなことは誰にでもあるでしょう。

そんな時に寄り添ってくれるのが最果タヒさんの言葉たちです。

私たちが普段言葉にはしないけれど、なんとなく感じていることを彼女の言葉は鏡のように映しとってくれます。

いろんな感情を受け入れてくれるし、同時に突き放してもくれる。

形容しがたいしわからないからこその「優しさ」を見せてくれるような一冊です。

最果タヒさんについては、こちらの記事でも紹介しました。

 

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 月日の残像 

 

 

脚本家として活躍した山田太一さんの随筆集。

「洋子さんの本棚」という作品でも紹介されています。

彼の劇作家としての人生やそこで感じたことを、繊細な文章で綴っています。

一番の魅力は、彼の人柄が文章ににじみ出ていることでしょう。

山田太一さんだからこそだせる、貫禄と人柄の良さで、まるでおじいちゃんの思い出話を聞いているかのような気持ちになります。

彼の飾らない文体のおかげで、彼の思い出にノスタルジーのようなものを感じることもありました。

山田太一さんだからこそ出せる「渋さ」や「人柄」を感じられる一冊です。

 

 ありのすさび

要するに、「ありのすさび」という言葉は未来だけを視つめている青年には似合わないので、その青年を他人事のように眺められる中年にこそ、もしくは中年にさしかかって過去を振り返りはじめた小説家の、随筆のタイトルにこそふさわしいと、そういうことである。(本文より) 

 直木賞の受賞経験がある佐藤正午さんの一冊。

小説家の人生は、別にたくさんのハプニングが起こるわけではありません。

ならば日常の生活に目を向けて、そこからアイデアを得ていくしか方法はないでしょう。

そんな小説家としての生き方について主に書かれたエッセイです。

ブログなどの執筆に関して、参考になる部分も多いです。

本の角を折り曲げて栞代わりにしたことはありますか?その名前、知ってますか?

気になったらこの本を読んでみよう。

 

 壇流クッキング

こうして、 朝鮮人とくらし、中国人とくらし、ロシア人とくらし、食べ、 料理し、見習い、食べ、料理し、うろつき、生涯を過ごしてきたようなものである。

檀一雄. 檀流クッキング (中公文庫BIBLIO) (Kindle の位置No.77-78). . Kindle 版.

 文豪でありながら、世界各地を飛び回って料理してきた壇一雄さんの一冊。

世界各地での体験とともに、各季節に合わせた料理のレシピが文で綴られています。

本当の男の料理がここに見られる。

現地ですべてを調達し料理しているため家庭的なものも多い上、流石の文才のおかげで料理の描写もうまい。

読んだ後には自分で作ってみたくなるでしょう。

 料理旅行というテーマで、日常と寄り添いながらも新たな楽しみ方を教えてくれるような一冊になっています。

 

つぶさにミルフィーユ

遺言は書きたくないが、もし書くなら毎日書くのが良いかもしれない。

森博嗣. つぶさにミルフィーユ The cream of the notes 6 (講談社文庫) (Kindle の位置No.2502-2503). 講談社. Kindle 版.

 「すべてがFになる」の作者である森博嗣さんのエッセイ集。

彼はかなりの量を書いている小説家で、この一冊は短編エッセイを100項集めたものになっています。

この作品もまた、他の人が日常生活の何を見ているのか知ることのできるような一冊だです。

また著者が理系寄りの人間であることもあり、一風変わった読書や執筆に関する考え方についても書かれています。

彼によると、読書において何の本を読んでいるのかは関係ないそうである。

気になった方は是非読んでみてほしい。

 

たぶん最後のご挨拶

 

超有名作家の東野圭吾さんの最後のエッセイ。

kindleでは買えませんが、レビュー記事を書いたので紹介させていただきます。

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最後に

いかがだったでしょうか。

これらの本は日常生活を見直すきっかけになるだけでなく、新たな視点を与えてくれるような本でもあるでしょう。

ブロガーやキュレーターなどのビジネスにかかわってくるような知見を得ることもできます。

凝り固まった自分の視点を、エッセイを使ってほぐしてみるのはいかがでしょうか。

 

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