活躍している人がみんな年下
むなしく馬齢を重ねてきてしまいました。
「学生だから」とか「まだ若いから」みたいな最強の言い訳も、失いつつあります。
現実世界は、レベルが上がってもスキルポイントは貰えないみたいですね。
魔法剣士には慣れずにクリアしてしまいそうです。
しかし世間には、まだレベルが低いのに魔王を倒して最強のジョブに就いている人がたくさんいます。
若いころは、レベルが高い人を見て「大きくなったらこうなれるのかな~」みたいな淡い希望を抱いていられましたが、今では私のほうが高レベルです。
いつのまにか、前線に立つ勇者たちは、私よりもレベルが低い人たちばかり。
クライマックスシリーズで大活躍してる投手が同い年だったり、新進気鋭の科学者みたいな人が同世代の人間だったり。
ちょっと昔の例でいえば、宇多田ヒカルは15歳でデビューしたそうですね。
それよりもだいぶ年上なのに、私のメジャーデビューは夢のまた夢。
まあ、「歌も歌えて野球も出来て研究もできる人間になりたかったのか」と聞かれれば答えはNOではあります。
しかし、「上級職じゃなくても、あなたはあなたの人生の勇者なんだよ」みたいな綺麗ごとで終わらせていいのかなという疑問もあります。
上を見たらキリがない、しかし下を見てもどうしようもない。
なかなか難しそうですね。
実際問題、上で挙げた例はかなり極端ですよね。
宇多田ヒカルなんて世紀の大天才ですし、「にんげんだもの」って言って同一視するのは何か違う気がします。
しかしこの、劣等感だか憧れを抱く対象を選ぶのはなかなか難しいです。
「私も人間だから、15歳でメジャーデビューできる!」っていうのと、「私も同じ学生だから、隣の人より良い点数取れる!」みたいなのは同じ話な気がします。
「犬も私も哺乳類だから、犬よりも早く走れる!」みたいな。
共通点なんていくらでも錬成できますしね。
変な目標を抱いて、劣等感に押しつぶされないようにする必要はありそう。
いわゆる”成長”するためには、無理な目標と劣等感は必要なんでしょうけどね。
そこまで成長して何を目指すんだか。
神とかでしょうか。
憧れと劣等感は紙一重です。
目標となる人がいて、その人と私が違うからこそ、憧れにもなる劣等感も抱ける。
両方を程よく持つのはなかなか難しいですね。
魔法剣士になってしまったら、プリーストにはなれない。
白魔法と黒魔法を両方覚えることはできない。
「みんな違ってみんな良い」みたいな言い訳は、ある程度のジョブになってから使う言葉なんでしょうね。
中途半端な魔法剣士よりも、上級職の剣士のほうが強いみたいな。
でも剣士になったらなったで、魔法使えたらなぁって思っちゃいません?
薬草持ち歩くのもめんどくさいし、ホイミとかで回復したい。
でも魔法使いになったらなったで、戦闘のたびにMP減るの嫌だなぁって思うんでしょうね。
魔法剣士は魔法剣士で、どっちつかずな能力で使いづらかったり。
どのみち、何かしらに劣等感は抱くことになるのでしょうな。
やっぱり目標は「神になること」にしておきましょうか。
完全なら劣等感を抱くこともないでしょうし。
まずは教祖になることから始めてみようかな。